システム開発 2018年9月14日

特定派遣制度がいよいよおわりますね

ソフトウェア開発者というものは、その昔は高価なコンピューターについてくる「おまけ」でした。企業が高いコンピューターを買うと、メーカーからエンジニアがやってきてあれこれやってくれると。そういう意味で、イマドキ花形職業に見える気がする「ITエンジニア」というのは、そもそも値段があってないようなものでした。コンピューターを買うと無料でエンジニアがついてくる!みたいなカンジでしょーか。

地方でソフトウェア開発でがんばる!地方から全国に発信していこう!みたいなハナシがたびたび出ますが、これは地方でも東京みたいなIT勉強会をしよう!というお話だったり、地方のエンジニアが都会のコミュニティに積極的に参加しよう!というお話だったりします。

が、はたして、それで地方のコンピューター開発に関する産業が活性化されるのか?というと、それはちょっと疑問だとワタシ (町田) は思っていたりします。

長野あたりにもソフトウェア開発の会社は大なり小なりいろいろあります。大手のメーカー系ベンダーさん、地方自治体に強い老舗の独立ベンダーさん、その他中小のベンダーさんなどなど…。

すべてがそうだとは言いませんが、大手や老舗が大きなおシゴトを受注して、中小のベンダーさんからエンジニアを募って、プロジェクトごとにチームを編成して…という感じでおシゴトが進むことが多いようです。これはたぶんどこの地方でも同じではないでしょうか。

その場合に、集められるエンジニアはどういう「扱い」なのか。まさか冒頭書いたようにおまけでついてくるというわけではないでしょうし。

1つは「請負契約」。そのエンジニアはあくまで自分の所属会社の社員である。おシゴトは発注元から請負ってするものなので、指揮命令は自分の会社から受ける、という形。ただし実際のおシゴトを自分の会社に持ち帰ってできるものばかりとは限らないので、元請けの会社やエンドユーザーの会社に事実上常駐して行うことも多くなります。

そうなるとあくまで自分は自分の会社のルールで…というのはちょっと難しくなって、常駐先の会社のルールにある程度あわせなければならなくなってきます。例えば始業時間や就業時間といった細かいところなどなど。

そうすると、あれ?これって「請負」じゃないじゃん?てことになります。「偽装請負」なんて言葉もありますね。実際に働くエンジニアもなんで自分の会社じゃないところのルールに従うんだろう?そんな約束いつしたっけ?みたいなフラストレーションが溜まるということも出てきます。

そういう意味で、ソフトウェア開発というのはちょっと特殊なおシゴトですから、特別なルールができたことがありました。「特定派遣」といいまして、そういう特殊な技能を使うヒトは派遣社員として所属元の会社から相手先の会社に無期限で出向可能とし、派遣元の会社は自己申請でヨシとする、というものでした。通常の一般事務みたいな「一般派遣」は最長で3年という制限がありますし、派遣元企業は認可制です。

あまり良いことではありませんが、エンジニアを採用するときに社員にそういうことをあまりしっかり説明しない企業が少なくありませんでした。このギョーカイはそういうものだということで、特に説明なく社員を採用して、いざ会社にはいってみたらその会社じゃなくてすぐ違う会社に出向させられて…あれ?と思うけど、同僚はみんなそうだし、そういうものなのか…ということも少なくないようです。

しかし、その「特定派遣」は3年前の労働法改正によって廃止されました。つまり、ITエンジニアであっても従来のように社員を派遣するなら、一般派遣と同じように最長3年の制限がありますし、派遣元会社は自己資本などの審査をうけて認可を得なければなりません。

労働法改正から3年たちますので、今月末でいちばん長い派遣期間だった方の契約が終了になると思います。

もしかしたら、なんか長年の派遣先から急に自分の会社に帰れっていわれて、今更自社に帰ってもなんもやることないなーと思ってたら3ヶ月たってまた元の派遣先に戻された、なんて方もいらっしゃるかもしれませんね。それは3ヶ月間は「クーリング期間」と呼ばれ、その期間経過すると派遣期間がリセットされるルールだからです。なんだかゲームのようですね。

ここまで読んで、あれ?ITエンジニアって花形のカッコイイ職業だと思ったら、なんか非正規社員みたいじゃない?と思ったかもしれません。もちろん、すべてのITエンジニアがそうだと言っているわけではありません。でも、思い当たる方もすこしはいらっしゃるのではないでしょうか。

例えば中小の独立ソフトベンダーだって直接顧客がいて、そのお客さんと直接対話してそのお客さんの情報戦略に直接関わるようなお仕事をすればいいのに、と思います。

大手のエンジニアも、お客さんに説明するPowerPointを書いてる時間ばっかしで、プログラミングは外部パートナーさんにお任せ状態だよ!みたいな方をわりとお見かけするような気がしますが、開発そのものをしたいと思っている方も少なくないでしょう。

業界や社会の構造がそうなんだから、そういうものだよ、と思う方もいらっしゃるかもしれません。

でも、それは変えることができるものであり、たぶんそれを変えるには受注側だけではなく、発注側にも関係することなのではないか、と思っています。

我々アズシエルはこれまでご説明してきたとおり、とてもわかりにくい会社です。老舗の製造業の中のシステム部門、というんだから、当然その企業の社内のことを行う情報システム部門なんでしょ?と思われることが多いです。まあそれが普通です。

現在はそういう業務もしています。ただし、本来は自社グループよりも、外のお客様の情報システム開発やWebサイトの制作をするのが主たる業務です。いや、本来主たる業務は新規事業開発なんですけど…。

つまり、同じ業種について、場合によっては発注側になり、場合によっては受注側になります。それによって、発注側はなにを考えているのか、受注側はどうすればよりよくなるのか、ということがいろいろと見えてきます。

Webサイトのデザインをするにも同じです。なんとなくかっこいい、なんかキレイ、みたいなデザインは、もう関係するひとの「好き・嫌い」のハナシになってしまうわけですが、企業としてお金をかけてやるのに「好き・嫌い」でやったって意味がないのです。

これこれこういうことを目指して、こういうひとにみてもらって、こういう成果を出すために、ここはこの色にしましょう!といった屁理屈を、仮説でいいのでたてて、実施して、検証していくということをしないと、企業としてどっちへ向かっているのか?ほんとうにその件にお金を投じていいのか?というところが漠然と不安のまま進めてしまうことになります。

それは受注側としてだけではなく、発注側でもあるからこそわかることがあります。

そういった意味では、我々アズシエルはこの界隈の同業他社に比べると、だいぶ変わったポジションにいると思います。単純にお客さまがこういうからそうする、みたいなことではなく、お客様はこういうおシゴトの方だからこうすべきです!みたいなお話をすることが少なからずあるでしょう。

なんだろう、めんどうくさいな、と思われるかもしれませんが、それが私達なので、というお答えになるかと。

というわけで、我々アズシエルは仲間を絶賛募集しています。

それこそ自社グループ内の情報資産管理みたいな硬めのおシゴトから、新規Webビジネス開発みたいな賑やかなおシゴトまで、やろうと思えばやる機会はたくさんあります。いかんせん、マンパワーが足りなくてできないことのほうが多い、というのが現状です。

とはいえ製造業のいち部門ではありますので、ご経験者の方は「ITエンジニア」の常識的なことからはいろいろと「あれ?」と思うことも少なくないかもしれません。しかし、地方の老舗の製造業であるということは、うっかりブラックなことはできない企業でもありますので(苦笑)、そういう方面のご心配は無用です。

ここから構造を変えよう!と、大言壮語なことをワタシ(町田)は思っていますので(笑←しかし真面目です)、我こそはという方をお待ちしております。

現在はWebデザインのできる方を大募集しています!もちろん、それ以外の方も、アピールポイントがあれば是非。

もしよろしければお問い合わせフォームからご連絡ください。

記事の著者:

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