サービスを拡散・成長させるフレームワークAARRRモデルとは
皆さんは、AARRRモデルという言葉をご存じですか?
今回は、サービスの成長を手助けするフレームワークAARRRについてご紹介したいと思います。
AARRRとは
AARRR(アー)とは、主にウェブサイトやアプリなどのサービスを拡散・成長させるための仕組みを作るフレームワークです。
顧客行動の状態を5段階に分け、その頭文字を取ってAARRRと呼ばれています。
AARRRモデルは、①製品を知ってもらい、②製品を利用してもらい、③リピーターになってもらい、④紹介で広げ、⑤収益を得るという5つのステップで行われます。
その過程で、データをモニタリングし、ボトルネックを解消し、機能追加や改善を実施を繰り返すことでサービスを急成長させるというものです。
各セクションの紹介
ここからは、各セクションの基本的な解説と、分析方法、アプローチ手法の例を紹介していきます。
ユーザー獲得(Acquisition)
ユーザー獲得とは、ユーザーがどのようにして製品を見つけ、最終的に顧客になったのかを指します。このセクションでは、ユーザーに製品を知ってもらうこと、つまり集客に焦点を絞ります。
SEO対策や広告を活用して集客を実施する
具体的な施策としては、SEO対策や広告で露出を増やし、ユーザーに製品を知ってもらいます。また、この効果を最適化するためには、Webサイトの訪問者を把握し、適切にアクセスデータを解析することが重要です。
毎日何人のユーザーが訪れ、どのページを閲覧し、何人が購入したのか、どの経路で製品や会社を発見しているのかを意識します。
「ユーザー獲得」セクションの分析方法
- アクセス解析
- ユーザー獲得数
- 顧客獲得コスト(CAC)
ユーザーを獲得するための方法
- SEO(検索流入)
- SNS
- 広告
ユーザー活性化(Activation)
ユーザー活性化とは、ユーザーが製品、ウェブサイト、コンテンツに初めて触れた後、製品を利用してもらうまでの体験のことを指します。
「いいなぁ」と思ってもらえるサービスやコンテンツ体験をつくる
少し分かりにくいかと思うので、このセクションのポイントを分かりやすく言うと、ユーザーに「この製品いいなぁ、使ってみたいかも」と思わせることです。
具体的な施策としては、タッチポイント(顧客接点)となるウェブサイト、ランディングページ、SNSなどに共感を得るブランドメッセージやブランドストーリー、有用性、信頼性、分かりやすさ、使いやすさ、見た目の印象といった部分が考慮されたデザインを実施します。
いくら集客を実施しても、良いユーザー体験を提供出来てなければ顧客を獲得することは難しい為、このセクションをまず初めに最適化することをオススメします。
「ユーザー活性化」セクションの分析方法
- 新規申し込み率
- サイト滞在時間
- チュートリアル突破率
- 1ユーザーあたりのセッション数
ユーザを活性化させる方法
- ユーザーが興味を示すようなサービスの提供
- コンバージョンに効果的なホームぺージ
- ユーザーに最適な体験を提供するランディングページ
- 新規ユーザーを獲得できるような製品の特徴や特性
- 有用性、信頼性、分かりやすさ、使いやすさ、見た目の印象が考慮されたデザイン
- 共感が得られるブランドメッセージやストーリーの作成
継続(Retention)
継続とは、どれだけの顧客が継続し、なぜ顧客を失ってしまうのかという問いに関するものです。ユーザーの離脱率が高い場合は、上記セクションやビジネスモデルに何かしら問題がある可能性が高いです。
継続して製品を利用してもらうことの重要性
顧客離脱率を下げることはビジネスにとって非常に重要です。
ハーバード・ビジネス・レビューによると、新規顧客を獲得するコストは、既存顧客を維持するよりも5倍から25倍のコストがかかると言われています。
また、既存顧客に対してモノを売るのは、新規顧客に売るより、はるかに簡単です。なぜなら、既存顧客と企業には一定の信頼関係が構築されているからです。
顧客に継続してもらうためには、特別なオファー、メルマガ、SNSなどを活用した個人的なメッセージなどを利用し、定期的に顧客と接点を持つことが重要になります。
「継続」セクションの分析方法
- ユーザーが繰り返し製品に関与しているか
- ユーザーあたりのセッション数
- 1日あたりのアクティブユーザー数
- 月間アクティブユーザー数
ユーザーに継続させる方法
- ウェブサイトへの再訪問
- キャンペーンやイベントなどの案内メール
- ブログ、SNSフォロー
紹介(Referral)
紹介は、どうすれば顧客が製品を気に入り、他の人に勧めてくれるようになるのかです。
紹介マーケティングで意図的に紹介を増やす
紹介マーケティングの代表的な事例としては、Dropboxがあります。Dropboxはインターネット上のファイル共有サービスです。友人に紹介することでお互いの利用できるファイル容量が増えるという施策によって、60%以上のユーザーを増やしたと言われております。
紹介マーケティングを行う際のポイントは下記の通りです。
- 紹介した際のメリットが分かりやすいこと
- 紹介する側、される側の双方にメリットがあるようにする
- 紹介方法が簡単で分かりやすいこと
製品を友人にも紹介したいと考えるユーザーは、顧客ロイヤリティが高い状態と言えます。顧客ロイヤリティを測る指標としては、ネットプロモータースコア(NPS)があります。
「紹介セクション」の分析方法
- ネットプロモータースコア(NPS)
- 紹介数
- 口コミやレビューでの紹介数
- SNS上での共有メッセージ
紹介方法
- キャンペーン・イベント
- メルマガ
- 紹介マーケティング
収益(Revenue)
最後に、どれ程の収益を上げているのかを明らかにする必要があります。
AARRRフレームワークの他セクションが満たされていれば、収益が上がっているはずです。逆に、収益が上がっていない場合は、他セクションのいずれか、もしくはすべてを見直す必要があるかもしれません。
1顧客あたりの獲得コストを下げ、顧客生涯価値を上げる
収益を上げるシンプルな方法としては、顧客獲得コスト(CAC)を下げ、顧客生涯価値(LTV)を上げる方法があります。
顧客獲得コストとは、新たな顧客を獲得するためにかけたコストです。顧客生涯価値とは、取引を始めてから終わるまで、利益をもたらした収益の総額です。ちなみに、顧客獲得コストに対して、顧客生涯価値が3倍以上であるのが事業として健全で好ましいとされています。
顧客獲得コストの下げ、顧客生涯価値を上げる方法は、AARRRフレームワークの最適化を行うことです。このフレームワークを活用し、分析することで、問題を発見し、最適な施策を発見することができます。
「収益」セクションの分析方法
- 顧客獲得コスト(CAC)
- 顧客生涯価値(LTV)
収益を上げる方法
- 広告
- 各セクションの最適化
ポイント:各セクションでの分析は必ず行います
各セクションに分析方法の例を記載していますが、分析は必ず行うようにしましょう。
その理由は、分析を行うことで今まで見えてなかった課題を発見し、適切なアプローチができるからです。
逆に、分析を行っていない場合は、暗闇の中で闇雲に動いているようなもので、表面の現象だけで判断するのは、間違った行動をとってしまう可能性が高いです。
必ず各セクションで指標を決め、分析を行うようにしましょう。
まとめ
最後に、各セクションに対する簡単な質問を用意しました。この質問を利用して、自社の製品やサービスをAARRRのフレームワークに当てはめて評価してみてください。
ユーザー獲得 ー どのように顧客は自社の製品やサービス、会社を発見しているのか?
ユーザー活性化 ー その顧客は自社が望むような行動をとっているのか?
継続 ー 製品を利用した顧客は、継続的に利用を続けているのか?
紹介 ー 顧客は製品を気に入り、他の人に勧めているのか?
収益 ー 想定する顧客は自社の製品にお金を払ってもよいと考えているのか?
AARRRモデルは、決して万能という訳ではなく、全てのビジネスモデルに適合することは難しいです。ですが、製品やサービスを拡散・成長させるための優れたフレームワークであることは間違いないため、ぜひ実践してみてはいかがでしょうか。
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